科学文章力を鍛える
- umihoshilab
- 6月9日
- 読了時間: 5分
更新日:6月12日
子育てをしながら在宅でもできる仕事ってなにがあるかなぁ、と日頃から考えており、「文章を書くスキル」を高めていきたいと思っていました。
私は、文章を書くことは嫌いではない…というか嫌いじゃないなら、もしかしてけっこう好きなのかも?
でも、「文章力」って、本を読む以外にどうやって鍛えるんだろう?
オンラインで受けられるライティング講座でも受けてみようかなぁ?
……と、いつの間にかスマホに勝手に出るようになってしまったライティング講座の広告を眺めていたところ、とっても魅力的な講座の案内が流れてきました。
科学をわかりやすく伝える文章術
科学ジャーナリストから学ぶオンライン講座
講師:高橋真理子 氏
(SNSアカウント:https://x.com/marikotkhs)
主催:わか天
(一般社団法人 日本天文教育普及研究会・若手天文教育普及ワーキンググループ)

しかも参加費 無料!
ということで、ありがたく・前のめりに(笑) 講座に参加してきました!
講師の高橋さんの、わかりやすく伝えるためのテクニックや考え方をお話してくれた動画を見たあと、課題の文章を作って提出しました。雑誌、新聞、SNSなど、いくつかの課題の中から、私は文字数制限のある子ども向け媒体を選びました。
挑戦したのは、朝日新聞の「天声こども語」というコラムを想定した課題です。なぜ、わざわざ文字数ぴったりに書く、というものを選んだかというと、例を見せてもらえたので、ゴールがイメージしやすかったからです。さらに、解説イラストが必要ない課題だったこともあります。イラストがあると私は絶対に時間をかけて凝ったものを作ってしまうので(笑)、今回は文章に集中したかった、という理由です。
テーマは、プラネタリウムや星のガイドでも去年からよく話題にしている「かんむり座T星」にしてみました。

課題文を書くにあたって参考にしたWEBサイト:
『反復新星かんむり座T星の爆発を監視しよう!』(日本変光星研究会)
『再帰新星かんむり座T星 定点観測』(ライフパーク倉敷 倉敷科学センター)
とくにこだわった部分は、「実際の夜空で見上げてみてください」というプラネタリウムや星空案内の常套句を使わないこと。「見てください」という言葉を使わずに、読んだ子どもが自分で「見てみようかな」と思ってもえるような文章にしよう!という目標を持って書きました。
かんむり座とT星を、笑った口とほくろに例えることは、イラスト無しでなんとか表現しようとひねり出したものですが、文章にオリジナリティが出たので良かったです。気に入ったかたがいらっしゃったら、ぜひ星空案内の際に使ってもらいたい☺
倍くらいの文量を書いてから、408文字にするために削っていきました。文字数ぴったりにするのは、難しかったけど面白かったです。達成感!
課題文を添削してもらえるオンライン講義では、たくさんの方に読んでもらえました。書いたものを修正された経験は何度かありますが、褒められたことはほとんどないので、とてもドキドキ💓嬉しくて興奮しました! 伝えたいことが伝わるということは、とても気持ちがいいですね。

限られた講義の時間の中で、私の書いたものも取り上げていただき、たくさんコメントをもらいました。
2、3日かけてじっくり推敲した文章なので、もう削れるとこなんてない!と自分では思っていたけど、添削を受けて、どれも「なるほど~」と思えました。
という訳で、もう一度書き直してみました。

いかがでしょうか。色々削って、色々足しました。良くなりましたかね?!
あんなに文字数を削るのに苦労したのに、修正したら403文字になり、今度は足りなくなってしまいました。それだけ余計な情報が多かった、ということでしょう(反省)
自己満足ですが、一応また408文字になるように仕上げました(足す方が、すごく簡単でした)
私なりに意図をもって書いた文章を、他人の視点で見てコメントをもらえる機会は個人で活動をしているとなかなかないので、とても貴重な経験でした。講師の高橋さん、一緒に課題に取り組んだ参加者の皆さん、主催のわか天の皆さん、本当にありがとうございました。
高橋さんのご指摘と、その意図から、つねに「わかりやすさ」を最優先していると改めて感じました。「わかりやすさ」のために、細かすぎる情報・多すぎる情報を、ときに思い切って削除することが、「わかりやすく伝える文章」に必要なことなんだなと実感しました。
高橋真理子さんは、「文章に正解はない」と言われていました。
さらに、「書き続けることが大切」とも。
「書く」ことと「話す」ことは、同じ伝える技術でも、大きく違います。
「話す」ことは、一発勝負のむずかしさがあります。
対して、文章というのは、読者には「読むのをやめる」という選択肢が常にある。その点でだけ言えば、「話す」ことよりも「書く」ことのほうが「伝えるハードル」が高いように思います。だって例えばプラネタリウムで、聞く人が途中で解説がわからなかったりつまらなかったりしても、目をつぶったりぼーっと聞き流したりしていればいいだけで、わざわざ席を立つ人は ほとんどいないでしょうから。
「読む」ことは、いつでもやめられる。そこに、遠慮や気遣いはなく、とてもシビアな世界です。だからこそ、書くほうは「最後まで読んでもらえるための、丁寧な工夫」が重要なんだなと思いました。
たくさん得られたものがありました。
課題に、一生懸命 取り組んで良かったです!
「話して伝える」とは違って、「書いて伝える」ことも、奥が深くて面白いんですね。書いたものを最後まで読んでもらえるように、これからも文章を書くことを、楽しみながら続けていきたいと思います。
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